和歌山県橋本市 エッジAIカメラを用いた水位監視システム

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工事時期:2024年3月

プロジェクト概要

高野山の麓に位置する和歌山県橋本市。市の東西を一級河川「紀の川」が貫き、そこへ26本の中小河川が流れ込む水の豊かな地域です。一方で近年は、台風や線状降水帯がもたらす豪雨によって市内に甚大な浸水被害が発生。市はハザードマップの全戸配布など、河川氾濫による二次被害を防ぐための対策に取り組んできました。

今回、豪雨時に河川へ赴いて水位確認を行っていた職員の安全を確保し、監視作業の負担を軽減することを目的として、新たな水位監視システム導入のご相談を受けました。当社からはエッジAIカメラ「eTA001b」を用いた監視システムを提案し、約1年半の実証実験期間を経て正式な導入が決定。

現在は市内17カ所(うちAIカメラは12カ所)に設置したカメラが5分間隔で画像と水位データを収集してクラウドへあげ、危機管理室で一元監視されています。

システム概要

エッジAIが撮影画像内の水面を推定し、あらかじめ設定した仮想ルーラ―(目盛り)との重なりを読み取って水位を検出します。取得データは防災担当者が閲覧する監視クラウドシステムにまとめて掲載されるほか、水位が設定値を越えた場合は「防災はしもとメール」を通じて市職員へ周知。システム導入の結果、従来は20名が輪番制で行っていた水位確認作業が2名で実施可能となり、90%の人員削減が実現しました。

エッジAIカメラ導入のメリット

エッジデバイス(エッジは「端」という意味)と呼ばれる端末本体にAIシステムを搭載し、端末内でAIによる解析をする仕組みのことをいいます。エッジデバイス側でAI処理を行うことでタイムラグの少ない判断が可能になるほか、クラウドとの通信量が抑えられ、通信コストの削減、生データをクラウドに送らないことによるセキュリティ保護にもつながります。

お客様の声

「希望した画角からクリアに見え、夜でも鮮明に状況が確認できてとても良いです。管理クラウドの操作も簡単なので危機管理室の職員以外も活用しています。また、強い雨が降った時は全局の画像をダウンロードして保存し、後日、河川や用水路の状況を分析して新たな防災対策に活用しています。」(橋本市危機管理室 ご担当者様)

ポイント

・エッジAIカメラの導入によって、水位計や量水標などの物理的設備に頼らない水位監視を実現。
   画像と水位データの両方を用いた確実な監視が可能。
・水位確認にあたる職員が90%削減され、人員をその他の災害対応業務に配置できるようになった。
 その結果、より広範囲をカバーできる防災体制の構築が進められている。

稼働中のエッジAIカメラ。電源用ソーラーパネルが裏側に設置されている。
平常時(左)、降雨時(右)の撮影画像。
増水に伴って上昇する水位をはっきりとらえている。
担当者が閲覧するクラウド監視画面では、市内に設置したカメラ17台の撮影画像を同一画面で確認可能。

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