トンネル建設現場における緊急通報のための通信環境整備

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工事時期:2024年10月

プロジェクト概要   

新潟県と福島県の県境に位置する国道289号八十里越にて建設中の8・9号トンネル。このトンネルにおいて当社は数件の通信設備工事を担当しています。工事開始にあたって現場は携帯回線の圏外になっており、無線機と衛星通信(Starlink)が配備されていたものの長大なトンネル内から外部への通話は困難な状況で、有事の際の緊急連絡方法などに不安のある状況でした。

この状況を受けて、衛星通信ではカバーできないトンネル内の連絡手段を確保するため、メッシュWi-Fiアクセスポイントと指向性アンテナの導入を決定しました。その結果、延べ3.5km以上に及ぶトンネルを網羅する安定した通信環境の構築に成功。従来では不可能だったトンネル外部との安定した通信・通話を実現し、緊急通報や作業員同士のスピーディーな業務連絡などを可能にしました。

<参考リンク>
PicoCELA株式会社様ホームページ
「導入事例『トンネル建設現場における緊急通報のための通信環境整備』」
https://picocela.com/voice/tunnel-construction-site-etrust/

施工概要

PicoCELA社が提供するPCWLメッシュWi-Fiアクセスポイント5台と指向性アンテナ15台をトンネル内に配備し、入口付近に設置した衛星通信機器(Starlink)を経由してのIP電話(通話)やデータ通信を実施。緩くカーブを描くトンネル内でも、条件の良い場所では1km以上のWi-Fiエリア化構築に成功しました。LAN配線を極力減らし指向性アンテナを用いることで、長距離リレー伝送を実現しています。PicoCELA製品の特長である「最小限のLAN配線でインターネットの元回線から長距離に電波をリレーし、広大な場所にWi-Fi環境を広げていくことができる」を実感する事例となりました。

通信環境の構築後、現場作業員からは「クラウド上の施工図や資料の確認がリアルタイムでできるようになった」「現場・会社間の連絡がスムーズに取れるようになった」など、様々な面で利便性が向上したとの声があがっています。今後はこの通信方式に当社開発の監視システムを組み合わせるなど、防災を目的とした通信環境の整備と各種監視システムの提案にも取り組んでまいります。

ポイント

メッシュWi-Fiアクセスポイントと指向性アンテナを組み合わせ、
最小限のLAN配線で電波をリレーしトンネル内のWi-Fi環境を構築

トンネル内に計5台設置したPicoCELA社のWi-fiアクセスポイント。電源にはポータブル蓄電池を利用している。

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